アロハシャツ

アロハシャツ

ひと時の休息に「エッセイ」をご用意致しました。

ハワイにシャツが伝わったのは１８２０年頃で、米国本土から開拓者たちが持ち込んだのが初めだと言われています。
風通しがよくてゆったりした着心地が農作業に適していたこともあって、日本や中国から渡った移民たちの間でもシャツは高評価だったようです。
当時は麻や綿を使った無地のものが一般的でしたが、やがて移民たちが持ち込んだチャイナドレスや日本の着物などのカラフルな生地をリメイクしたシャツが作られるようになり、１９２０年頃に現在のようなデザインになったようです。
そして「アロハシャツ」と呼ばれるようになったのは１９３６年にホノルルで洋服店を営んでいたエラリー・チェンが商標登録してから、一般にアロハシャツと呼ばれるようになったようです。
第二次大戦後は、ハワイに多くの観光客が訪れるようになり、土産物としてアロハシャツが定着しました。

アロハシャツの長い歴史の中で、製造の最盛期を迎えたのが１９４０～５０年代です。
この時期に作られたシャツの中には、デザイン、素材、製法など、優れたものが多く、これらを「ヴィンテージ・アロハ」と呼んでいます。
希少性ゆえ、今や高い値段で取引されていることも珍しくありません。確かに今のアロハシャツには見られない味わい深いプリントと、しっかりした縫製技術は、コレクションに値するものといえるでしょう。コレクターのなかには、着るのではなく観賞するためだけに手に入れる人もいるといいます。しかし、アロハシャツは実際に着てこそ、その良さが分かるもの。
最近では、ヴィンテージのレプリカ（復刻版）も多く作られています。

時代背景や希少性はさておき、アロハシャツの特徴は、身頃に余裕のあるデザインになっているため、風を直接皮膚で感じられるという事でしょう。私、個人の意見ですが、Ｔシャツや下着などは着用することなく、素肌の上に直接着て欲しいものです。裾はズボンの中に入れない方が良いでしょう。ちなみに、日本においてはアロハシャツ＝カジュアルというイメージが強いようですが、ハワイにおいてはアロハはビジネス・ウェアやフォーマル・ウェアとしても着用されています。Ｔシャツ姿では入りにくい高級レストランも、アロハシャツ姿なら堂々と入ることができるので、一着は用意しておくと便利です。
でも、使い分けも肝心です。フォーマルな場所やビジネスには、ボタンダウンのキッチリとしたアロハシャツを着用し、遊びの場には、派手でルーズなアロハシャツがお勧めです。