ポリネシアンダンス ひと時の休息に「エッセイ」をご用意致しました。
ポリネシアンダンスはもともと、動物の動作を真似た踊りが原型のようです。そして其々の踊りに意味があり、それが雨乞いだったり、豊作を願ったり、また部族繁栄祈願の踊りだったりしたようです。

その中でも戦いの前に踊る勇壮な舞は有名ですね。 これには島々ならではの理由があるのですが、ポリネシア各地では其々の島ごとに酋長を中心とした島社会が形成されており、互いに競い合っていました。弱肉強食の世界では「敗北=死」を意味するため、島の若者達は勇敢な戦士として肉体や精神を鍛え、戦いの前には踊りに陶酔していたようです。

また、部族間抗争以外にも他の島の女性を連れてくる(要するに略奪ですね)ために戦ったと言う逸話もあるようです。
と言うのも、椰子やタロなどの芋、そして魚が島では簡単に手に入るため、食料を確保することは容易だったのだから、むしろ労働力の確保や婚姻目的で他の島へ女性を略奪しに行ったと云う方が正解かもしれません。
戦いの理由はさておき、いざ戦いとなると若者達の中に怖気づく者も出てくるようで、勇敢な戦士として士気を鼓舞させるために戦士たちは狂った様に踊ったようです。今でも、ポリネシア各地に様々な形の勇壮な踊りがあります。

その中でもタヒチアンダンスは特に有名ですね。男性が棒を持って打ち合ったり、胸を平手で叩いて大きな音を出したりと、男らしさを強調する仕草が多いようです。極めつけは火の舞をでしょうか、勇壮な戦士の舞の代表格として良く知られていますね。対照的に女性はしなやかな腰つきで華やかにテンポ良く踊るのが特徴ですね。

ディナーショーなどで洗練された芸術としてよく見られるようになりましたが、ハワイアンと異なり、男性は上半身裸で腰巻、女性は腰蓑にココナッツのブラが一般的な衣装として定着しています。 男性の演目時にあまり楽器は使わず、かけ声や叫び声が飛び交うのも印象的です。女性の演目時には派手な打楽器がテンポ良く打ち鳴らされます。そして手に持つボンボンや豪華な髪飾り、首にレイを掛けている衣装も良く見かけます。

ポリネシアンダンスは本来の意味合いを離れて、ショービジネスの中で花開いた感がします。

Copyright(c) 2009 BBC corporation All Rights Reserved