パイナップル ひと時の休息に「エッセイ」をご用意致しました。

収穫直前のパイナップル
パイナップルは、熱帯アメリカ原産のパイナップル科の多年草です。
単にパインと略して呼ばれることもあります。また果実だけをパイナップルと呼び、植物としてはアナナスとも呼ばれています。
名前の由来は、果実の形が松かさに、味がリンゴに似ているのでパイン(松)+アップル(リンゴ)という説が有力です。

パイナップルは開花後、約6カ月で果実が収穫出来ます。
パイナップルは多年草で、果実を収穫後に順次、根茎部分から再び芽を出します。そして成長すると先端部に花が咲きパイナップルの実が付きます。 でも、収穫する度に実が小さくなっていくため、同じ株を3年以上用いることはありません。

一般的にパイナップルの果実といわれる食用部分は伸長した花の軸の周りに並んだ小果実の付け根の部分が軸もろとも成長して、多量の果汁を含むようになったものです。
真の果実は表面へ螺旋状に並んだ、硬化して食べられない疣状の部分から果肉の表層までの部分なんですね。 多くのパイナップルを生産している農園ではクローンで造られた同一品種ばかりを植えるので、受粉が、ほとんど起こらず、果実内に種子ができていません。しかし、時々他の農地の他品種の花粉がハチなどによって運ばれるなどして受粉が起きている場合も有り、皮と果肉の境界部分に褐色の胡麻粒のような種子が小数見られることがあります。もちろん土にまけば発芽しますが、開花して果実をつけるまで数年かかります。

ところで、缶詰や酢豚、夏祭りの屋台などいろいろなシーンで目にするパイナップルですが、ひと口大に切って冷凍すれば、シャーベットとしても楽しめます。日本で販売されているのはほとんどが輸入品でフィリピン産が8割以上になります。国内産は主に沖縄で生産されており5〜8月に出回ります。

酢豚にパイナップルが使われるのは、ヨーロッパ人向けの味付けにしたためだと言われています。以前どこかのTV番組で(タンパク質分解酵素「ブロメライン」がお肉を柔かくします。)と紹介していました。でもタンパク質分解酵素は熱に弱く、加熱する料理に使っても意味がないのです。 しかし、お肉の漬け汁として利用すれば、お肉は確実に柔かくなります。

話は変わりますが、おいしいパイナップルの見分け方をこっそり教えちゃいますね。
全体的に丸みがあり下ぶくれの形をしているもの。またずっしりと重みがあって香りが良く、葉の色が濃いものを選びましょう。
これだけです。

パイナップルは樹上で熟したものを収穫しているのですぐに食べられます。常温で保存しても追熟せず、逆に傷みやすくなるため購入したら早めに食べきりましょう。
ただ、新聞紙などにくるんで冷蔵庫の野菜室に入れておけば2〜3日は持ちます。また、パイナップルはお尻の部分に甘みが溜まるので、葉の部分を下にして逆さまの状態で保存すると、甘みが全体に行き渡るといわれています。

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