ポリネシア ひと時の休息に「エッセイ」をご用意致しました。


ボラボラ島のコテージ
ポリネシア (Polynesia) はオセアニアの海洋部の分類の一つです。
ギリシャ語で「多くの島々」を表しています。
太平洋上で、ミッドウェー諸島(ハワイ諸島内)、アオテアロア(ニュージーランド)、ラパ・ヌイ(イースター島)を結んだ三角形(ポリネシアン・トライアングル)の中にある島々が該当します。
主だった島として、アオテアロア(ニュージーランド)、ハワイ、フェニックス諸島、サモア、ソシエテ諸島、タヒチ島、トンガ、ウォリス諸島、ツバル、トケラウ、クック諸島、ライン諸島、オーストラル諸島、トゥアモトゥ諸島、テ・ヘヌア・エナナ(マルケサス諸島)などの島々があります。
ところで、ニュージーランドの先住民マオリもポリネシア人であり、ラグビー・フットボールのアオテアロア(ニュージーランド)代表チーム「オールブラックス」が試合前に披露する独特の踊り「ハカ」は、ポリネシア系のマオリ族の踊りです。
また(特にトンガの人は)ガリバー旅行記の大人国の人々のモデルと言われています。
ポリネシア人は体重に対する筋量と骨量の比率が他のあらゆる人種を大きく上回っています。こうしたことから、『地球最強の民』(最も強い身体を持つ人々)などと称されることがあります。

古代のポリネシア人たちは、六分儀、クロノメーター、方位磁針といった航法器具を用いずに、数千キロメートルに及ぶ遠洋航海を行っていたと考えられていますが、この古代の航法技術は失われてしまい、域外ポリネシアのタウマコ島に僅かに残存するだけです。一方、1980年代に先住ハワイ人と白人の混血であるナイノア・トンプソンが、ミクロネシア連邦の中央カロリン諸島に属するサタワル島の航法師、ピウス・ピアイルック(通称マウ・ピアイルック)から伝授されたミクロネシア式の航法技術を元に、近代の西洋天文学の知識を加味して、新たな航法技術を創始し、クック諸島、アオテアロア等ポリネシア各地にこれを広めています。 この新しい航法技術も、ポリネシア先住民のエスニック・アイデンティティが拠り所の一つとなっています。
古代ポリネシア人が用いた航海カヌーは、特に東ポリネシア海域では二つの船体を並べてその間にデッキを張った双胴船(ダブル・カヌー)であったと推測されていますが、域外ポリネシアではシングル・アウトリガー・カヌー形式の航海カヌーも使用されており、ポリネシアの航海カヌーが全てダブル・カヌーではありません。

ポリネシアで発明されたと推測されている航海技術には、ダブル・カヌーの他にクラブクロウ・セイルがあります。これはラテン・セイルのような直線的なブームではなく、カーブを描いたブームをマスト下部から上方に向けて装着したもので、そこにカニの爪のような形状の帆を張ることからこのように呼ばれています。近年の研究では、クラブクロウ・セイルはラテン・セイルと同等以上の風上帆走能力を持つことが確認されており、古代ポリネシア人の遠洋航海、特に西ポリネシアからタヒチやテ・ヘヌア・エナナへと貿易風に逆らって航海する際の強力な道具になったのではないかと思われます。

参考資料:ネシア分類地図

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