トウゴマ(唐胡麻) ひと時の休息に「エッセイ」をご用意致しました。


トウゴマ(唐胡麻)の実
さて、今回は意外と昔から日本人に知られている(はずの)、植物を紹介します。

トウゴマ(唐胡麻)は、トウダイグサ科トウゴマ属の多年草で、別名、ヒマ(蓖麻)と呼ばれています。
熱帯東部アフリカとインドが原産ですが,温帯では一年生草本です。
種子は有毒です、絶対に口に入れてはいけません。 種子に含まれる毒性成分の成人致死量は、毒性蛋白・リシン7mg、 毒性アルカロイド・リシニン0.16gです。ただし、加熱すれば分解し無毒となります。

日本では大型の1年草ですが、原産地に生育しているものは常緑で、電柱ほどの高さまで高くなります。
種子から採れる油はヒマ子油(ひましゆ)と呼ばれ、強力な下剤として、医療用に用いられたほか、印刷インキなどにも使われています。
また、ヒマシ油は低温でも固まりにくいことから高高度を飛行する航空機の潤滑油としても利用され、第二次世界大戦前後では大量に栽培されたので、栽培経験を持つ人も多いでしょう。当時の品種は花が緑色のものですが、現在栽培されているものは花や若芽が赤い「ベニヒマ(アカトウゴマ)」が一般的です。生花の花材として利用されますが、時折河原などに野生化したものが見られることがあります。

石油の枯渇が叫ばれる中、ヒマシ油の需要が増加することが予想され、インド北部や中国などでは大々的な生産を行い始めたようです。

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