サトウキビ ひと時の休息に「エッセイ」をご用意致しました。


収穫中のサトウキビ
 砂糖の原料となる農作物ですね。
以前、ベトナムを旅したときサトウキビのジュースを飲みました。
2mくらいのサトウキビの茎をローラーを合わせたような搾り機に掛け、ジュースを搾り出し、カップに入れて販売してくれました。
目の前で搾ってくれるサトウキビのジュースは甘〜い、心地良い香りが漂い、飲めば至福の一時に包まれました。

ところで、サトウキビの茎は竹のようになり、節があります。茎の内側は竹のように空洞ではなく、髄になっており糖分を多く含みます。茎は高さ3mにもなるものもあります。葉はトウモロコシのように幅広い線形で秋には茎の先端からススキのような穂がでます。

サトウキビは、赤道近くのパプアニューギニアで、1万7千年前から作物としてさいばいされていたようです。紀元前6000年頃にインド、さらに東南アジアに広まったといわれています。古代サンスクリット語による古文書の記載から、砂糖の精製は北インドが発祥地とされています。
 さて、日本で一番多く栽培されているのは沖縄県です。サトウキビは、この沖縄の方言で「ウージ」とよばれ、沖縄で一番多く栽培されて(特に南西諸島)いる作物です。沖縄の気候に適し、昔から農家の人達の暮らしを支えてきました。
 サトウキビの栽培面積は、沖縄県の畑の約半分をしめていて、サトウキビ栽培農家も、全体の70パーセントほどになります。

サトウキビは砂糖として加工されるのですが、茎の部分は細かく砕かれ圧搾機で絞りとられて「圧搾汁」と「バガス」に分離されます。
「圧搾汁」はわずかな石灰を加えて加熱することで不純物が沈殿し除去します、不純物を除去した沈殿した「濾過液」を蒸気で減圧することにより低温で煮詰めて濃縮し、黒糖が出来上がります。

一方、バガス(サトウキビの絞りかす)は、サトウキビの重量の25%位になり、製糖工場のボイラーの燃料として使われます。

なお、白砂糖はこの後、糖蜜を取り除いていき、透明な砂糖の結晶に加工します。透明な結晶は光を乱反射するので、私たちの目には白く見えます。