サンゴ ひと時の休息に「エッセイ」をご用意致しました。


色々な形状のサンゴ
 南の海に広がる珊瑚礁! 
あまいロマンの香りが感じられそうな言葉ですね。
でも、皆さんは珊瑚の正体を知っていますか?

サンゴとは?
サンゴは、イソギンチャクやクラゲと同じ刺胞動物と呼ばれる「動物」で、小さな個体がいくつも集まって群体を形成して皆さんがよく知っている形になっているのです。
一つひとつのサンゴはポリプと呼ばれる本体と石灰質の骨格の部分でつくられています。枝状やテーブル状、塊状に成長。それが幾重にも積み重なって、サンゴ礁という複雑な「地形」をつくるのです。
ポリプには触手に囲まれた口があり、ここで摂食や排泄、産卵などを行っています。そして細胞内に藻を共生させ、互いに補い合って生きています。

サンゴ礁とはサンゴがつくった石灰質の骨格が、長い時間をかけて積み重なり海面近くまで高くなった「地形」のことをいいます。
 サンゴの種類
 ひとことでサンゴといっても、世界には約800種類ものサンゴが存在します。
このうち沖縄には、約200種のサンゴが確認されており、世界的にもサンゴの多い海域といわれています。
非常に多くの種類が存在するサンゴですが、大きく分けるとサンゴ礁をつくる造礁サンゴと単体で生息する非造礁サンゴの2つに分類できます。

 また、サンゴ礁は形状によって大きく三つのタイプに分けられます
裾礁(きょしょう:Fringing reef)
陸地とサンゴ礁が接した地形。サンゴの生育に適した海域に、海底噴火や隆起によって陸ができると、周囲の浅瀬にサンゴが付着。サンゴは外側へと成長を続け、島を縁取るようにして広がっていく。

堡礁(ほしょう:Barrier reef)
陸地とサンゴ礁の間に水深数十m の浅い海(ラグーン)を持つ地形。裾礁の状態から地殻変動や海水面上昇で島が徐々に沈み、外洋のほうでサンゴ礁が発達するとこのような地形になる。

環礁(かんしょう:Atoll)
完全に島が沈み、リング状に島の輪郭の形をしたサンゴ礁だけが残った地形。リーフ(礁原)の上に砂が集まり、小さな島をつくることもある。モルディブやマーシャル諸島などが知られている。

サンゴの敵
サンゴは、水温の上昇や紫外線の強弱により生存できなくなるほど繊細な生き物です。
シロレイシガイダマシやヒメシロレイシガイダマシ、オニヒトデなどによる被害が多くあげられますが、サンゴに一番大きな影響を与えているのは私たち人間です。
生活排水による水質の汚染をはじめ、開発による赤土の流出、埋め立て、ゴミの放棄、釣りによる被害などなど・・・人間がこれまでどれだけのサンゴを殺してきたかは、想像を絶します。
環境保全が世界規模で唱えられる今日、海の中にも目を向けなければいけない時代といえるでしょう。