泡盛(あわもり) ひと時の休息に「エッセイ」をご用意致しました。


泡盛(あわもり)
 泡盛(あわもり)とは米を原料に黒麹菌で造った、米麹を発酵させた沖縄の蒸留酒です。
麹を造ってから主原料の蒸した米を加えて仕込む米焼酎に対し、米麹だけで造る全麹仕込みが特徴。法律上は乙類焼酎となっています。

泡盛の原料には一部の銘柄を除き、インディカ種(細長い系統のお米)のタイ米が使用されています。粘り気の強い日本のお米(ジャポニカ種)に比べ、硬質でさらさらしているため黒麹菌が菌糸を伸ばしやすい(米麹をつくりやすい)という特性があり、もちろん、香りや味わいに泡盛独特の風味を出す要因となっています。

 麹もお米や芋などの穀物でお酒をつくるとき、原料を糖化させるために必要なものです。 日本酒には黄麹、焼酎は主に白麹が使われるのに対し、泡盛造りに使用される麹菌は「黒麹」です。泡盛の風味の特徴はなんといってもこの「黒麹」を使うという点に絞られます。
 こうして、原料のタイ米を、黒麹を使って米麹にし、それに水と酵母を加えてもろみにし、2週間ほどアルコール発酵させます。このシンプルな工程は「全麹仕込み」といわれ、泡盛独特のものです。泡盛以外の国内の焼酎はこの仕込みの工程を2度に分けて行います。

 2週間ほど発酵させたもろみを蒸留させると泡盛が出来上がります。このときに使われる蒸留機は「単式蒸留機」と定められています。単式蒸留機は、もろみに含まれる成分をほどよく蒸気に含ませるため、原料の風味をあますところなく蒸留酒に反映させるという特徴があります。

こうしてできた泡盛は、大切に管理していけば、100年、200年の古酒に、それも各ご家庭で、育てることができるのです。
第二次世界大戦で100年を超える古酒はほとんど失われてしまいましたが、戦後育てられた20年、30年といった古酒でも、その芳醇な味わいと甘い香りは、高く評価されています。