紅葉 ひと時の休息に「エッセイ」をご用意致しました。


紅葉
 今年も紅葉の季節がやってきました。でも、思わぬところで台風の影響を受けてしまったようです。
一般的に、最低気温が7〜8℃を下回ると紅葉が始まると言われています。
しかし今回の台風21号の影響で、各地の名所がずいぶんと痛めつけられたようです。
私の住んでいる処でも、枝が折れたり影響を受けました。でも、少しは色づき始めたかな・・・

皆様のお住まいの地域の葉の色づき具合はいかがですか?

 ところで、木の葉が色付く事を「紅葉」と書きますね。しかし奈良時代は「大君の御笠の山の黄葉(もみじば)は今日のしぐれに散りか過ぎなむ」(大伴家持)とあるように、万葉集に80首以上も詠まれている「もみじ」の表記は、たった一首を除いて「紅葉」ではなく「黄葉」でした。

 これは中国の陰陽五行説で方角を色で表す際、黄は皇帝が居る中央の「最も高貴な色」として扱われたため「黄葉」という表記になったようです。

 それが平安時代になると「奥山に紅葉ふみわけ鳴く鹿の声きく時ぞ秋はかなしき」(古今和歌集)など、「黄葉」より「紅葉」と書くようになりました。これは日本が中国文化の影響から離れ、独自の文化が芽生えてきたことの表れだからだそうです。

 それから紅葉を愛でる繊細な美的感覚は、日本人ならではの情緒――と思っていたら、「米国でも紅葉見物は昔から盛んで、あちこちに紅葉名所があり、紅葉街道もあれば紅葉渋滞もある」と某新聞に掲載されていました。

 話は変わりますが、綺麗な紅葉の景色を撮るのも今では大分便利になったといいます。
カメラの性能がかなり良くなっており、素人の私たちでも、上手く撮ることができるようになりました。 極端にいえば、デジタルカメラだけでなく、携帯電話やスマートフォンなどでもきれいに撮ることができるのです。
そして、その感動を友達や知人に伝えたいのであれば、パソコンなどで、その画像を送ったり。SNSなどに投稿して掲載することもできます。便利な時代になったものですね。

そんな時代だからこそ、紅葉を見に行ったときなどのマナーも守りたいものです。枝を折ったり、木を切ったりするのはルール違反だし、だいいち犯罪になりますよ。