パンの実 ひと時の休息に「エッセイ」をご用意致しました。


パンの実
 名前だけ聞くと(パンの実を)知らない人は、何を想像するのでしょうか?
実はポリネシア原産でクワ科の常緑高木です。葉が大きく、よく茂ることから、熱帯地方では日陰樹として公園や庭園、また街路樹として植えられています。
果実は黄色〜黄褐色で直径10-30cmくらいです。枝先に2〜3個、実が付きます。成木からは年間50-200個が収穫できるようです。果肉にでんぷんを多く含みます。

18世紀末にイギリスのウィリアム・ブライによって、黒人奴隷の食料として西インド諸島に導入されました。

パンの実は生では食べないんです、加熱することが基本です。
調理は至って簡単なのです、この画像のパンの実を焚き火にぶち込んで表面が黒焦げになれば食べる事が出来ます。
 
採ったばかりのパンの実を切るとこんな感じになりますが、火を加えることでフカフカのパンのように手で裂いて食べる事ができるのです。味は、パンの食感をした芋。もちろん香り自体も芋のような感じです。

さらに、パンの実にも色々の種類があるようで、種の有るものや無いものもあります。また、味も採れる場所で異なるのか、種類が有るのかまでは知りませんが、甘いものから味の無いものまであります。(収穫の時期のよって違うのかも?)


他にもお勧めの食べ方があります。

フライパンに多めのバターを入れ、薄めに切ったパンの実を揚げるようして焼く方法です。香りも良いですよ。
火を通すと甘みが出るようですが、砂糖や塩をまぶしたり・・と、味付けは好みで行うほうが良いでしょう。ただ、パンの実はどのように調理してもイケる、なかなか万能な食材です。

サイパンでは昔はイモ類が主食として食べられていたので、タロイモ(もちもちした食感が堪らなく旨い)、キャッサバ(甘さ控えめのサツマイモのような感じ)と同様にパンの実もロコ料理として食べられていたようです。(今では、お米が簡単に手に入るので、ロコで食べる人はあまりいません)

南の島でバナナの葉に実を包んで蒸し焼きにしたり、丸ごと焼いたりして食べられていた、あのパンの実ですが、残念ながら、日本ではなかなか手に入らないようです。(沖縄の離島で手に入るかも?)