ウモレオウギガニ ひと時の休息に「エッセイ」をご用意致しました。


猛毒のウモレオウギガニ
 ダイバーの皆さんはスベスベマンジュウガニと聞けば、ああ毒カニのと、
すぐにわかると思います。生息地域はインド洋から西太平洋に分布し、日本では千葉県から沖縄県まで入ります。

 では、ウモレオウギガニは知っていますか?知っている方はかなり、その道のベテランですね。
このウモレオウギガニは従来はハワイ・小笠原諸島・屋久島以南の南太平洋に生息していると思われていましたが、2011年に和歌山県すさみ沖で発見されており、太平洋地域の日本に生息している可能性があります。

このカニは3大毒ガニの一つとして知られており、「世界最強の猛毒ガニ」ともいわれています。

このカニの特徴は、体が扇形で茶褐色をしており、甲羅は複雑なまだら模様とうろこ状の突起に覆われています。日中はサンゴのすき間や岩陰に隠れ、夜になると餌を探して活発に活動します。大きいものは甲羅幅が約9センチになります。  
 筋肉に、まひ性貝毒の一種「サキシトキシン」やフグ毒で有名な「テトロドトキシン」を含み、甲羅にも毒素がしみ出すことがあるといいます、触ったら必ず手を洗うこと。見かけないカニを見つけたら、絶対に食べないでください。

基本的にはこのウモレオウギガニは夜に行動する生物です。
その為日中はなかなか遭遇する確率は低く、そのうえいわばやサンゴ礁などを好むため私たちが日本近海で出会う確立はかなり、低いものと思われます。
ただし、出会ってしまい、素手で触ってしまった場合は、すぐに水洗いなどを行い、毒に触れる危険を低くしてくださいね。

ちなみに、【3大毒ガニ】
「スベスベマンジュウガニ」・「ツブヒラアシオウギガニ」・「ウモレオウギガニ」 を指します。

【サキシトキシン】
神経系統を阻害し、麻痺や、重度の場合には呼吸困難を引き起こし、最終的には呼吸麻痺で死に至ります。 有効な治療法は確立されていないのが現状です。

【テトロドトキシン】
300 ℃以上に加熱しても、分解されず、ヒトの経口摂取による致死量は1〜2mgで経口摂取では青酸カリの850倍程度の猛毒です。

※参考までに「ツブヒラアシオウギガニ」
生息:インド洋から西太平洋の暖かい地域の死滅サンゴ塊の隙間に生息
大きさ:5cm前後
毒成分:ウモレオウギガニと同様の:テトロドトキシン(フグ毒)やサキシトキシン(麻痺性貝毒)を持つ。日本ではこのカニを食べたことにより死亡した例が3件報告されています。食べなければ大丈夫。