富士山 ひと時の休息に「エッセイ」をご用意致しました。


富士山
 日本一高く、典型的なコニーデ式火山。どの方向から眺めても円錐形の均整のとれた姿は美しく、年間を通して人々の目を楽しませてくれます。

貴方は、富士山についてどのくらい知っていますか?

富士山は誰のもの?と聞かれたら、大多数の人が「みんな(日本国)のもの」と答えるでしょう。
この「日本の宝」ともういうべき富士山は、すべての日本人のものと答えたくなるのはよくわかりますが、残念ながら間違いです。

富士山の八合九勺(3360m)から上は「私有地」で頂上に鎮座している「浅間神社」が持ち主です。
富士宮市宮町に位置する富士山本宮浅間大社は総本宮で、祭神に木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)、彦火瓊々杵命(ひこほのににぎのみこと)、大山祇命(おおやまづみのみこと)を祀ります。  
 それから、富士山の正確な標高は3775.63m(剣ヶ峰)です。四捨五入して3776メートル。これが今では公式になっています。コレくらいは覚えておいてください。

最近、環境保全のために「入山料」を徴収していますが、もともと明治時代まで富士山登山は「有料」だったのです。
富士山の有料化の歴史は思いのほか古く、奈良時代に登山者・1人につき244文の山役銭=通行料を徴収していたといいます。

さて話は変わって、富士山の頂上でご飯を炊いたらどんな風に炊けると思いますか?
頂上の気圧は平地の63%の約640hPaしかありません。この気圧では、約88度でお湯が沸いてしまうといわれています。そのため、米の芯にまで火が通らないで、半生になってしまうといいます。
実際に、頂上で炊飯をした人によると、「こんなにマズい御飯を食べたことがない」と言ったそうです。

この辺で、富士山を題材に書かれた絵画を調べてみましょう。
現存する最古の富士図は法隆寺献納宝物である延久元年(1069年)の『聖徳太子絵伝』で、甲斐の黒駒伝承に基づき黒駒に乗った聖徳太子が富士を駆け上る姿を描いたものです。
また、有名なところでは、葛飾北斎の『冨嶽三十六景』や 歌川広重の『不二三十六景』『冨士三十六景』『東海道五十三次』でも、富士山を題材にした絵が多く見られます。

このように、富士山は我々日本人にとってシンボル的な山と言うだけでなく、海外に出たとき、日本を表現する代表的な存在にもなっていますね。
世界遺産に登録されたからと言うわけではありませんが、日本人としてこれからも富士山を大切にしていきましょう。