菜の花 ひと時の休息に「エッセイ」をご用意致しました。


菜の花
 春を告げる花、菜の花。かすかな花の香りと、ほのかな苦みが魅力です。
アブラナ科の植物の、花やつぼみのついた茎を“菜の花”と言い、鑑賞したり食べたりします。
また、菜花(なばな)は、ナタネ、カブ、ハクサイ、キャベツ、ブロッコリー、カラシナ、ザーサイなどアブラナ科アブラナ属で主として花を食するものを指します。ほかに、ナタネ油の原料にもなる東洋系のもの、切り花の菜の花を品種改良したものなどさまざまなものがあります。

なお、アブラナ属以外のアブラナ科の植物には白や紫の花を咲かせるものがあるが、これを指して「白い菜の花」「ダイコンの菜の花」ということもある。

菜の花の菜とは食用の意味であり、菜の花とは食用の花の意味です。食用の菜花には、葉が柔らかく花茎と蕾と葉を利用する在来種と、葉が厚く主に花茎と葉を利用する西洋種があります。さらに、コウタイサイなど中国野菜由来の新品種も登場しています。  
 野菜として痛みやすいので、保存する場合は加熱してから冷蔵する必要があります。ビタミンCやミネラルが豊富な緑黄色野菜であり、アク(シュウ酸)はホウレンソウの20分の1以下なので、調理にあたっては茹ですぎないことがポイントです。

さて春、一面に広がる菜の花畑は壮観で、代表的な春の風物詩ですね。主産地の広大な菜の花畑は観光資源として紹介されています。

また、切り花用として利用されるものは、チリメンハクサイや改良品種で、葉が白っぽく縮れています。これは食用にも利用されるため、栽培時期や方法の違いによって出荷先が変わるだけともいえますが。

美味しい菜の花の選び方
花が咲く前のつぼみのものを選びましょう。つぼみが多少色づいていると、料理の彩りとして楽しめます。
また、新鮮でないものは、茎がやせているので、茎や根元も確かめるようにします。
2〜3日で花が開いてしまうので、早めに使いきります。使いきれない場合は、ポリ袋に入れて冷蔵庫で保存してください。湿らせたペーパータオルなどに包むと、鮮度が保てます。

ところで、菜種梅雨という言葉を良く聴きますね。
春雨前線が停滞する頃の雨の多い時期や、その雨を指す言葉です。気象庁がその時期を明確に定めているわけではないが、主に3月半ばから4月前半にかけてのぐずついた天気を言います。この時期には、関東南部から九州にかけてアブラナが開花している事から名付けられました。ただし、いわゆる6月下旬から7月中旬の梅雨で起こるような激しい豪雨になる事は少ないようです。