鰤(ブリ) ひと時の休息に「エッセイ」をご用意致しました。


鰤(ブリ)
 ブリは成長するにつれて呼び名が変わる出世魚です。ただ、地方によってもその呼び名が違い、対象となるサイズは人によっても多少見解が違ったりします。
関東  ワカシ(15〜30cm程度)→ イナダ(30〜50cm)→ ワラサ(50〜60cm)→ ブリ(60cm以上)

関西  ツバス(15〜40cm) → ハマチ(40〜60cm) → メジロ(60〜80cm) → ブリ(80cm〜)
などと呼ばれています。

また、ブリは養殖も盛んに行われており市場には通年流通しています。もともとハマチとは関西地方の呼び方だったのですが、養殖は西日本で盛んに行われており、40〜50cmほどの大きさの養殖物をハマチとして関東へ出荷していました。そのため、関東では養殖物=ハマチと呼ばれるようになりました。

 かつては2年物のハマチサイズが主流でしたが、今では技術も進歩し、外海で養殖されるようになったことで風味も良くなり、80cm前後、6Kg前後の大型サイズも養殖ブリとして出荷されています。  

 ブリは、カムチャッカ半島以南の北西太平洋、オホーツク海、日本海、東シナ海まで分布する回遊魚で、多くが群れを成して春から夏にかけて日本海や太平洋の沿岸近くを北上し始め、水温が下がる秋には沖合を南下しています。

 産卵期は暖かい海域ほど早く、2月頃から初夏にかけてと行われているとみられ、孵化した稚魚はモジャコと呼ばれ、流れ藻などに身を寄せてプランクトンなどを捕食しています。成長と共に魚食性へと変わり、主に沿岸近くのイワシやコアジなどを捕食しながら北上するようです。

 ブリは大きいものだと1.5m程にもなりますが、冬に漁獲される物は大きいものでも多くは1m前後です。体形は正に紡錘形でヒラマサやカンパチに比べ側偏が弱く断面が楕円形になっています。

ブリの旬は冬。いわゆる「寒ブリ」ですね。
 天然の大物、ブリが美味しくなる旬の時期はたっぷりと脂を蓄え南下します(12月〜2月の冬が旬)。この時期のものは「寒ブリ」と呼ばれ非常に人気が高いですね。この時期は主に日本海側で漁獲量が多く、太平洋側では少し遅れ2〜3月に多く水揚げされます。

 春になるとメスは腹に卵を持ちます、その卵は美味しいのですが、その分身質が落ちてしまいます。また、天然のハマチ、イナダサイズのものは秋に多く水揚げされます。

いずれにしても鰤は今が旬! 美味しいブリを堪能しようでは有りませんか!