キュウリ(胡瓜) ひと時の休息に「エッセイ」をご用意致しました。


キュウリ(胡瓜/きゅうり)
 キュウリの原産地はヒマラヤと言われ、日本へは中国から伝わりました。
江戸時代ごろまでは黄瓜(きうり)と呼ばれていたそうですが、その後中国名の胡瓜という漢字をそのまま当て字にされたようです。
1960年代頃までは半白きゅうりが主流で、その後、栽培しやすく流通性に優れていると共に見た目がよく、彩りが良い現在の白イボの全体が濃い緑のきゅうりに切り替えが進みました。

 今一般のスーパーなどで見かけるほとんどの胡瓜は、表面がつやつやした緑のものだと思います。
これに対し、昔のきゅうりは表面が白っぽく粉をふいている様に見えるものでした。これはきゅうり自体が乾燥や雨などから守るため自然に生成する成分で、これを「ブルーム」と言います。

しかし、消費者からみると、一見農薬のようにも見え、見た目もよくなかったので、このブルームが出来ない品種「ブルームレス」がつくられたのです。  
 これは当時画期的なことで、どんどん取り入れられていきました。しかし、本来ブルームにより守られていたものが剥き出しになるのですから、きゅうり自体の皮が厚くなり、逆に中の果肉は柔らかくなってしまったようです。

 今、また昔のブルーム付きのきゅうりが、歯ざわりがよく本来のおいしさを持ったきゅうりとして見直され始めています。

 キュウリは通年当たり前のように手に入る野菜の代表的なものですが、本来の旬は夏。大体6月頃から残暑が残る9月頃までです。この時期は露地栽培もされ、その他の季節にハウス栽培などで収穫されたものと比べて2倍くらいビタミンCを含んでいるそうです。
また、その頃はキュウリの価格も一気に下がり、とても使いやすい野菜となります。

 ところで、きゅうりに栄養素がないと思っている人はいませんか?それは間違いです。正しくは「少ない」というのが正解です。少ないと言ってもβカロテンやカリウムを含んでいます。(βカロテンはきゅうりの皮の部分に多く含まれています。)
きゅうりは栄養素が少ないため、必然とカロリーも少ないです。
ちなみにきゅうりは世界一、栄養とカロリーがない野菜としてギネスに認定されています。