建前(たてまえ) ひと時の休息に「エッセイ」をご用意致しました。


建前・投げ餅
 家を建てるとき、最初に行うのは地鎮祭ですが、基礎工事が終わり、建物を建てるときに最初に行うのが、「棟上げ(あるいは、建て方、建前とも)」という作業です。
一般的には家の、主要な柱や梁を作り、家の骨組みを作って、最後にその上に棟木(むなぎ)をあげる作業のことを指します。

この「棟上げ」ですが、大きな家屋で無ければ通常は1日で終わりす。
日本の家屋の建築方法(在来軸組工法)は、柱や梁の軸組みをし、屋根まで一気にくみ上げる工法です。

当日、骨組みを作り、一気に屋根までかけるという作業なので、非常に人手がいる作業です。そのため、昔は、棟梁や他の大工、施主、その家族や親戚、ご近所の人などが手伝い大勢でおこないました。

 今では、ご近所の人が手伝う事もなくなり、工事関係者のみで棟上げの作業をするようになりました。
さらに、軽量鉄骨やコンクリート住宅なども登場しているので、上棟式は組み立て当日に行わない事もあります。(ちなみに、私のところでは組み始めてから1週間後に建前を行いました。)  
上棟式は、この「棟上げ」の作業のあとで、梵天を上げ、無事上棟したことを喜び、建築関係者への感謝の気持ちを表したり、建築工事の安全祈願をする儀式のことです。
神主を呼んで、儀式を行う事もありますが、この辺では通常、大工の棟梁か工事監督が儀式を取り仕切ります。

棟梁が上棟祈願をし、施主から工事関係者へのねぎらいの気持ちとしてご祝儀が配られたり、ご馳走や祝酒をお土産として配ります。其の後で、餅や菓子を投げ、ご近所の方々に振舞います。

この辺で餅投げを行う場合、施主が三俵ていど用意し、親戚や兄弟が1〜3俵程度祝いとして贈られます。合計4〜6俵を投げ振舞います。
ただ、私のところは子供が住む家なので、親戚や兄弟からの(投げ餅の)申し出は遠慮していただきました。

  

大人から子供まで夢中で餅やお菓子を拾いあって祝ってくれるのは、嬉しいものですよ。(少々お金は掛かりますが・・・)